東北芸術文化学会

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小野千枝子氏の『イタリア15世紀宮廷舞踊』コースの開催のお知らせ 


小野千枝子氏の『イタリア15世紀宮廷舞踊』コースの開催のお知らせ


在・アッシシの舞踊家 小野千枝子氏



イタリア・アッシシ市在住の舞踊家 小野千枝子氏の紹介です。
毎年、アッシシ市が主催する「15世紀のイタリア舞踊コース」というイベントで講師を勤めておられます。


http://www.belreguardo.it/index.html




2016_ono



年末・12月30日に、小野千枝子の「イタリア15世紀宮廷舞踊」コースが開催されます。
会場は県庁館 ( Italia Perugia) の素晴らしいお部屋です。
どうぞお越しください。



Care Dame e Cari Cavalieri,
Vi trasmettiamo in allegato la locandina relativa al Laboratorio di Danza italiana del '400 che si terrà a Perugia (30 dicembre 2016, am.9:30), presso il Palazzo della Provincia di Perugia - Sala Falcone Borsellino.
Saremo lieti di condividere insieme a Voi quest’ arte del danzare.
con i migliori saluti,

Associazione Culturale "Il Convivio"
Compagnia di Danza antica “Belreguardo"
tel. +39 348 3848819/ +39 (0)75 8043548


email: ono.belreguardo@tiscali.it



「みんなで造形遊び」展 の記録映像


「みんなで造形遊び」展 の記録映像


 この映像は、蝦名敦子会員 (当会副会長、弘前大学教授)が企画・監修を務めた“ 一本の丸めた棒から 〜リングでつなぐ〜 ”「みんなで造形遊び」展 の記録映像です。
 是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。


一本の丸めた棒から 〜リングでつなぐ〜
「みんなで造形遊び」展 / 2016年8月1日〜3日 弘前市百石町展示館



リンク元アドレス
https://youtu.be/9VugRf6cAhk






 ◇企画・監修: 弘前大学教育学部 蝦名敦子(弘前大学教授/東北芸術文化学会役員)
 ◇音楽提供: propanmode(C)
 ◇授業者: 弘前大学教育学部附属小学校教諭
        下山明子(小学1年生)
        小田桐光佑(小学3年生)
        堤司(小学6年生)



※本映像は、平成26〜28年度科研基盤研究(C)
  「小学校におけるアート空間に関する研究 ― 材料・場所・空間の問題を中心として―」
  課題番号 26381170 の研究成果の一部です。



ティーノ・ディ・カマイーノ作 「枢機卿ペトローニの墓」に関する講演会(シエナ大聖堂ピッコローミニ図書室に於て)


ティーノ・ディ・カマイーノ作 「枢機卿ペトローニの墓」に関する講演会(シエナ大聖堂ピッコローミニ図書室に於て)


團 名保紀



 2016年、復活祭連休明けの3月29日、シエナ大聖堂でTino di Camaino作「枢機卿Riccardo Petroniの墓(1316-17年頃作成)」に関する講演を行った。

 シエナ出身の法王ピオ二世(Enea Silvio Piccolomini)の生涯を描くピントリッキオの著名なフレスコ画サイクルに囲まれ、15世紀の楽譜写本画の数々を展示するピッコローミニ図書室(Libreria Piccolomini)を当日は無料開放し、講演会場にした極めて稀なイヴェントであった。実はその壁面を隔て、かつてごく近くにペトローニの墓が存在していたのであり、同モニュメントをテーマとした講演を行うに相応しい空間として当局が判断されたのである。

 シエナ生まれの彫刻家ティーノを研究し40年以上経つが、その間シエナと様々な交流を重ねて来た。とり分け1975年夏、同市企画による20人以上の日本人美術研究者達のグループを招いてのセミナー(団長は摩寿意善郎東京芸大美術学部長、その実現にはシエナ市の名誉市民・千葉勝画伯の尽力があった)で、シエナ大学等の教授陣による一連の授業を私は通訳した。そこでシエナ派美術研究の大御所、大聖堂付属美術館館長Enzo Carli教授の知遇を得ることが出来、1977年のフィレンツェ大学卒業論文「ティーノ・ディ・カマイーノのピサ時代」の審査をティーノ研究のオーソリティー、カルリ教授が担当して下さることになった。それ故、私は多くの励ましを故カルリ教授から頂いたとまず講演の冒頭で述べ、この度の発表を教授への感謝と想い出に捧げたく思うと述べた。

 さて1980年私は、シエナ大学編集の美術史研究専門誌「Prospettiva」でピサのカンポサントとロンドンのVictoria&Albert Museumに存在する螺旋円柱を、ピサ大聖堂のティーノ作皇帝ハインリッヒ七世の墓の建築的部位として認定し、同論文はその後学界に於けるピサの帝墓再構築案推進への礎となった。その際同雑誌の編集にあたられていた現シエナ地区美術監督局のAlessandro Bagnoli教授が、この度の講演では私の経歴を紹介して下さった。また前ローマ大学教授でシエナ在住の中世法制史家Mario Ascheri教授が、法王ボニファチョ八世と関係の密であった教会法の権威、ペトローニ枢機卿について述べ、総合司会はシエナ大聖堂造営局長官のGian Franco Indrizzi氏が務められた。私には一時間が与えられ、今年二月に本学会の弘前例会で発表した枢機卿の墓に関する新知見につきパワーポイントを駆使して示した。それはカルリ教授が同大聖堂内の聖アンサノ礼拝堂に1951年移築再現した、同墓の持ち送りで支えられた単なる壁面墓碑としての状況を大きく改変するものであった。即ちその下方、床面上には元々アレキサンドリアの聖カテリーナの祭壇が来、壁面墓と祭壇を床面から一気に囲むゴシック的バルダッキーノがそびえ立っていたという内容で、こうした新見解の妥当性の論拠としても、頂点的部位にシエナ近郊のCollezione Salini蔵の「祝福のキリスト半身像」、祭壇には個人蔵の「聖アンニェーゼ胸像」、いずれも昨今私がティーノのシエナ時代の作として認定した具体的彫刻作品が本来存在していたのであるとした。そして結論として、今からまさしく七百年前制作された同モニュメントは、ゴシック的バルダッキーノに囲まれたオルヴィエトのアルノルフォ・ディ・カンビオ作枢機卿デ・ブライエの墓、ティーノがピサ大聖堂に付属祭壇を伴い完成した皇帝ハインリッヒ七世の墓、ジョヴァンニ・ピサーノがカリアティデを石棺の支えとして採用したジェノヴァの皇妃マルゲリータ・ディ・ブラバンテの墓、これらイタリアン・ゴシックの代表的墓碑芸術を反映しつつ、シエナ派絵画の巨匠ドゥッチョによる祭壇画やティーノの父カマイーノによるシエナ大聖堂正面壁の丸窓を囲む半身群像から来る、シエナ特有の絵画的要因を反映したものであり、その普遍性、統合性、スケールの大きさ、イコノグラフィーのユニークさからしても、墓作りの名手ティーノの故郷での渾身の作として、以後の芸術界に与えた影響力には多大なものがあったとした。

 会の締めくくりにお三方からそれぞれの専門の立場に関連した発言を頂いたが、今後はピッコローミニ図書室を機あるごとにシエナ大聖堂関連の文化財、美術作品に関する市民に開かれた講演会場として行きたい、その為の言わば試金石として今回の、多数の聴衆を動員できた企画は成功であったとの感想が大聖堂造営局長官インドゥリッツィ氏から表明された。そして目下計画中である堂内のニコーラ・ピサーノ作説教壇の修復事業と並行し、調査、研究発表も行える空間として同図書室は有効であると、美術監督局のバンニョーリ教授も述べられた。

 私は昨年のフィレンツェ・ビエンナーレで、ティーノ・ディ・カマイーノ作ピサの皇帝ハインリッヒ七世の墓完成700年について述べる講演会を開いた。続いて今年、枢機卿ペトローニの墓制作700年を記念するべく、ティーノの故郷、シエナの大聖堂で市民の方々を前に同モニュメントの魅力と重要性について語ることが出来た。この上ない喜びであり、今後のティーノ研究推進への大いなる励みとなった。

参照:sienanews.it/cultura/arte/il-professor-dan-e-larte-del-duomo-di-siena/
   及び www.academia.edu/23635088/Siena  


20160329_siena


大木義則 氏(監査役)が「第44回陶炎展」に出品。


大木義則 氏(監査役)が「第44回陶炎展」に出品。



当会監査役、大木義則 氏の作品が「第44回陶炎展」に出品されますのでご案内申し上げます。



「第44回陶炎展」詳細/http://touenkai.exblog.jp/22987607/


touenkai
(陶炎会事務局ブログより転載)



保科弘治 氏 (鑑査役) の作品9点、角田商事(株)に買い上げ収集。


<保科弘治氏(鑑査役)の作品9点、角田商事(株)に買い上げ収集。>


保科弘治 氏 略歴

1935年(昭和10年) 山形県河北町生まれ

1957年(昭和32年) 山形大学教育学部卒業
 英語専攻・美術副専攻。卒業後山形県内で英語と美術を担当。その後、県教育センター、山形大学附属中学校等に勤務し、平成7年3月に定年退職。平成7年12月より寒河江市教育長として勤務し、平成14年3月に退任し、現在に至る。

1964年(昭和39年) 県美展入選、以後連続入選

1966年(昭和41年) 県水彩展 県知事賞

1971年(昭和46年) 県美展 県展賞(日本画) 以後2回受賞

1972年(昭和47年) 全国県美展選抜展(文化庁)

1990年(平成 2年) 県美展無鑑査

2005年(平成17年) 第60回県美展 県展賞(洋画)

2006年(平成18年) 県美展委嘱

2007年(平成19年) 第73回東光展 彩美堂賞

2009年(平成21年) 東光会会友

2010年(平成22年) 寒河江市美術館で個展

2013年(平成25年) 紺綬褒章

2016年(平成28年) 東光会会員


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「生きる力を育てる」


「生きる力を育てる」


高柳智子



 〜子育てをしていると、必ずと言っていいほど訪れる「なんで?」「どうして?」の質問攻めの時期。この時期をどうとらえ、どう過ごすのか。〜

教育は、上からの押し付けではうまくいかない。 大事なのは「動機づけ」そして「発見的に教えること」である。 上記は、筆者が教育大学時代に一番心に残った教えだった。

3歳前後の「何故、どうして期」は、こうしたことがお膳立てせずにできる、もってこいの時期なのだ。 まだわからないからとお茶を濁し、適当に答えることは、せっかくの「生きる力」を育成できる機会を逃していると筆者は考える。

質問を受け入れることで、まず自分自身を受け入れられているという、自己肯定感を育てることができる。 また、質問に対して答えようとする親の姿勢や、わからない時には調べて教えたりする後姿を見せることで、将来的にわからないことは自分で調べるといったことも厭わない感覚を養えたり、世の中にあらゆるものに興味を持つきっかけともなり得る。 更に、色々なことを知っている親や大人に尊敬の念を持ち、自分も将来そういった大人になろうといった意欲を持たせることもできる。

質問をはぐらかされている子は、質問をしなくなる。 そういった疑問は生きるのに不要なことと無意識のうちに判断され、当面自分に必要なこと以外に興味を持たなくなるだろう。 将来的には、想定外の事柄が起きたとき等に対処する、といった能力に乏しい大人になる可能性があると考える。

何かを外に出す、表現というものはすべからく生きる力になると筆者は考えている。 造形的なものしかり、文章的なものしかり、また質問でさえ、自分の中にもやもやしているものを外に出す、その結果「そうか!」といった発見のようなものを自分の中に、無意識的にでも見つけ、自分自身をフィードバックすることが、自己統一を生み、自分自身の生きる強さに還元されるのである。

大人でも、自分の中の疑問が解決した時に爽快感を感じることは往々にしてあるだろう。 その時、得た知識以上に、脳が活性化して元気になっているような感じがすることも心当たりがあるかと思う。 そういったことを体験することが、生きる力を育てることに繋がっていくと考える。

少々面倒と思ってしまうかもしれないこの時期こそ、意識的に、大事に、子供を受け止めてあげようではないか。 期待するわけではないが、きっと、見返りは大きいだろう。

「灯ろうで描く私たちの弘前」展 の記録映像


「灯ろうで描く私たちの弘前」展 の記録映像


 この映像は、蝦名敦子会員 (当会副会長、弘前大学教授)が企画・監修を務めたアート作品展「灯ろうで描く私たちの弘前」展 (2015年8月4日〜7日開催 百石町展示館)の記録映像で、2011年から2014年にかけて弘前大学教育学部附属小学校での図画工作の授業を通して、子ども達が灯籠を製作する様子と、展覧会に至るまでの活動の記録となっております。
 是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。


弘前大学教育学部附属小学校児童作品
「灯ろうで描く私たちの弘前」展 / 2015年8月4日〜7日 百石町展示館



リンク元アドレス
https://youtu.be/8Z9LtosQdt0)






 ◇企画・監修: 蝦名敦子(弘前大学教授)
 ◇映像編集・制作: 廣瀬ともみ(弘前大学大学院)
 ◇音楽提供: MusMus、TURBO X
 ◇灯籠制作: 弘前大学教育学部附属小学校児童
 ◇授業者: 古川 香(付属小学校教諭)、堤 司(付属小学校教諭)
 ◇研究協力: 荒井一成(弘前大学教授)、塚本悦雄(弘前大学教授)、馬場拓也(弘前大学大学院)
 ◇資料提供: Google マップ



※本展覧会は、平成26〜28年度科研基盤研究(C)
  「小学校におけるアート空間に関する研究 ―材料・場所・空間の問題を中心として―」
  課題番号 26381170 の研究成果の一部です。



第十回フローレンス・ビエンナーレ(Florence Biennale)の国際審査員を務めて 


「第十回フローレンス・ビエンナーレ(Florence Biennale)の国際審査員を務めて」


團 名保紀



 2015年、第十回を迎えるに至ったフローレンス・現代芸術ビエンナーレ・コンクール(Florence Biennale)の国際審査員として、10月17日から25日まで会場のフィレンツェ市内、Fortezza da Bassoで過ごした。「ルネッサンスの都」という過去の遺産にのみ安住するのではなく、本来ルネッサンスが標榜した力強い世界性、普遍性に再び想いを至し、フィレンツェが現代芸術の新国際拠点たらんとし、1997年に第一回が開催されたのであるが、それはほぼ一世紀前、ヴェネツィアが画期的な芸術ビエンナーレ祭を企画したのを意識したことでもあった筈である。以来多様な文化的・社会的背景の差異を乗り越え、各アーティストが自由な芸術表現、その交流を展開し発展を遂げ、本年は参加国数65、展示芸術家数430名にも上った。国際審査員も12名となり、初めて日本からは私が招かれた。絵画、彫刻、紙を使った芸術、写真、ミックス・メディア、インスタッレーション、デジタル芸術、ヴィデオ、パーフォーマンス、陶芸、テキスタイル、ジュエリーの12部門に5等賞までが用意され、結果として、日本からはテキスタイル部門で中川泰通(Yasumichi Nakagawa)氏が優勝の栄に輝き、ミックス・メディアで二位にアクリル画のRyota Matsumoto氏が、紙芸術部門では日本画のKazuko Shiihashi氏(四位)、及び海野次郎(Jiro Unno)氏(五位)が入賞した。

 全体の芸術ディレクターは、前回のビエンナーレにおける「アートと倫理」なる主テーマの設定者、ミラノ・ブレーラ美術学校教授、美術史家のロランド・ベッリーニRolando Bellini氏が前回同様担当した。そしてルネッサンス以来、芸術文化都市フィレンツェが重んじてきた創造的価値の推進者としての芸術家や芸術作品同様に、今日の社会に対しても新芸術の果たしてゆくべき重要な役割について問わせ得る主テーマ、「アートとポリス(都市国家)」が設定されていた。因みにBellini氏は審査には加わらなかったが、果たしてその趣旨に沿う作品がどの程度出品されたか、叉受賞作にどの程度までそれが反映したかは率直のところ疑問であり、審査者としてフラストレーションの残る点であった。そうした中、単に技術的、叉様式的・美学的見地から見て優れていたのみならず、規模的にも他を圧し、何よりテーマ的に奥深い追求を見せていたのは、絵画部門で二位となったオランダ人画家Wessel Huisman氏による、「最後の審判」を独自に現代的に反映させた三連画「Garden of Men」であると思われる。実際今回のビエンナーレで個人的に最も印象に残る作品となった。

 なお私はビエンナーレ当局から講演をするべく求められていたため、「ティーノ・ディ・カマイーノ作ハインリッヒ七世の墓と、美術史家としての私――同モニュメント設立700年を記念し」と題して、1977年のフィレンツェ大学卒業論文以来展開してきた一連のティーノ研究、とりわけピサ大聖堂内の帝墓再構築案の重要性について語った。その際美術史研究推進の社会に対する具体的影響例として、同大聖堂内で元来帝墓を迎えていた中央アプス部壁面の調査が進み、オリジナルのフレスコ装飾が1990年代発見され、近年には石棺が開けられ、いずれも鍍金された銀製の帝冠、笏、十字架をともなう天球、それにピサの東方世界との豊かな交流を証し得る、東洋的モティーフの絹製織物が発見されたこと等を述べた。また今日同帝墓に対する関心の広がりを示す事例としては、2007年以降チェーザレ・ボルジアを主題とする惣領冬実作の連続歴史漫画「チェーザレ」で、私の同帝墓再現案を反映した場面が幾度か展開し、同シリーズはイタリア語版も制作され、日伊をまたぐ漫画文化、引いては現代芸術として反映しているとも語った。現代を生きる芸術史研究者として現代芸術への関心はひとしおであるが、科学的・技術的発展顕著な現代がそれに見合った精神性を発揮出来ず、むしろ目を覆う利己主義、退廃と野蛮が世界各地を覆っている中、今こそ芸術がそれらへの怒り、警告のメッセージを逞しくし、愛、平和と友情の世界を希求すべき時と思われる。そうした中、講演で私はティーノ作皇帝ハインリッヒ七世の墓研究推進の最新の“現代的”成果として、同墓が制作された1315年、まさに同大聖堂のため同じ発注者たるピサの僭主・傭兵隊長ウグッチョーネ・デッラ・ファジョーラの決断により、ティーノの後継者ルーポ・ディ・フランチェスコがギベリン・グエルフ両軍戦死者を等しく一つに葬る「1315年のモンテカティーニ戦没者達の墓」を制作、永らくその稀有なモニュメントが実在したことを示す再現図を本学会で昨今発表した旨報告した。同墓は皇帝ハインリッヒ七世並びに帝墓の発注者たる僭主ファジョーラの盟友であり、彼らがそこから多大の影響を受けたダンテ・アリギエーリの英知と普遍的精神を反映したものであり、人類がかかる精神的昇華を時として怒涛と混乱の中でも奇跡的に達成し、寛容と融和、ひいては救済の精神、その栄光が勝利し得ることを示し、それは今日の世界を生きる我々に対しても甚だ示唆的であると思う。そうした中、私がことさら現代芸術の一つの有効な方向性につき、過去の芸術を主たる研究対象とする美術史家として考える際、三年ほど前83歳で他界したイタリア人画家アルベルト・スーギ(Alberto Sughi)氏のことが心に浮かぶ、と講演では結んだ。彼はダンテを深く信奉し、その批判精神、倫理観と正義感、人間性に若いころから学び、2000年代に入ると「新生」及び「神曲」を独自の視点に立ち絵画化していた。取り分けダンテは不滅であるとし「今、我々とともに生きるダンテ」の標語の下、その晩年未だ衰えぬ新鮮な筆力、色彩、光と構図をもって今日的場面を生み出していた。現代イタリアの代表的芸術家であり、人々や社会に有効なインパクトを与える芸術の創造性につき我々を教示してやまなかったスーギ氏の名を、イタリアに於ける現代芸術の国際的新拠点を目指すフローレンス・ビエンナーレの場で引用し得たことは、個人的にもその晩年幾度となく暖かく私を迎えて下さり、その高邁な人となりに接するだけでも多大に勇気づけて頂いた、我が敬愛するスーギ氏への想いをより一層高ならせるものとなった。
(2015年11月14日記)

『 灯ろうで描く私たちの弘前 』 展の開催 


『 灯ろうで描く私たちの弘前 』展 の開催


 蝦名敦子会員 (当会副会長、弘前大学教授)のアート作品展を下記日程にて開催することになりました。是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。




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案内チラシ



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案内ハガキ‐表



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案内ハガキ‐裏



「女性の幸せとは?(レオポルド美術館開催『ヴァリー・ノイツィル−エゴン・シーレとの生涯−展』より)」


「女性の幸せとは?(レオポルド美術館開催『ヴァリー・ノイツィル−エゴン・シーレとの生涯−展』より)」


エゴン・シーレ研究家 金田佳子氏




 ウイーンのレオポルド美術館で画家エゴン・シーレのモデルであったヴァルブルガ・ノイツィル(通称ヴァリー:1894年生〜1917年没)展が2015年9月7日まで開催されている。今まで当然のごとく画家であるシーレに焦点があてられた展覧会ばかりが開催されてきたが、画家のモデルについては稀である。

 ヴァリーとはどんな人であったのだろうか。モデル、シーレの付き人兼恋人、洋服店の売り子、シーレと別れた晩年は戦場の看護婦等を務めるなど、しっかり者で多才な人であったらしい。1915年にシーレが他の女性と結婚するまで唯一無二の存在であったことは間違いないだろう。青い目をし、かなりの美人でもあった。シーレと出会う前、巨匠グスタフ・クリムトの多くの中のモデルの一人でもあったらしい。実際にクリムトからモデルとして譲り受けられたことから、ヴァリーを愛していたシーレの心情を察するとすると穏やかではいられなかっただろう。

 ヴァリーは幸せだったのか? それともシーレと結婚できなかったことで不幸せだったのか? それは本人しかわからないと思う。

 シーレの名作の多くにヴァリーが描かれている。多くの女性がいる中で画家のミューズになれる人は少ない。しかも聖母マリアのように神々しく描かれる人は稀有に等しい。23歳で夭折したヴァリーはシーレ作のなかで永遠の命を授けられたといえるのではないだろうか。


(展覧会の詳細:http://www.leopoldmuseum.org/en/exhibitions/65/wally-neuzil)





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エゴン・シーレ「ヴァリー・ノイツィルの肖像」



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エゴン・シーレとヴァリー・ノイツィル



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エゴン・シーレ「枢機卿と尼僧」



エゴン・シーレ年報に金田佳子氏の論文が掲載 


「エゴン・シーレ年報に金田佳子氏の論文が掲載」





私共の会員である 金田佳子氏 の独文の論文 『Egon Schiele und seine Beziehung zu Richard Hamanns Buch »Die Früh-Renaissance der italienischen Malerei« 』がオーストリアの学術雑誌である『エゴン・シーレ年報 (Egon Schiele Jahrbuch)』に掲載されました。

これはアジア女性初の快挙です。
今後も彼女のシーレ研究に期待したいと思います。


詳細:(http://egon-schiele-jahrbuch.at/inhalt_band2.html)





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「アッシシ主催15世紀イタリアの宮廷舞踊コースのお知らせ」


「アッシシ主催15世紀イタリアの宮廷舞踊コースのお知らせ」


在・アッシシの舞踊家 小野千枝子氏




イタリア・アッシシ市在住の舞踊家 小野千枝子氏の紹介です。
毎年、アッシシ市が主催する「15世紀のイタリア舞踊コース」というイベントで講師を勤めておられます。


http://www.belreguardo.it/index.html





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「アートの息吹」展


新庄市民プラザ・ふれあい市民ギャラリー 『「アートの息吹」展 』が 2014年3月23日(日)〜3月30日(日) までの期間開催されました。

 

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案内パンフレット



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Shinonome 西塔(ピアニスト)会員がコンクール受賞

Shinonome 西塔(ピアニスト)会員がコンクール受賞




  当会員の Shinonome 西塔 氏が、2013年度 第23回日本クラシック音楽コンクールの「ピアノ部門 一般男子の部」において、全国大会(東京大会)第5位に入賞をした。全国大会は、東京と大阪で開かれたが、12月20日(金)の東京大会にて、ラフマニノフの前奏曲 作品23‐6とスクリャービンの練習曲 作品8‐12を演奏しての受賞となった。




  ♪ 本人の感想 ― 「全国規模のコンクールは学生以来の挑戦となり、久々に緊張する舞台となりました。自分がコンクールを受けたことによって、生徒が『コンクールを受けたい』と思う気持ちがわかり、コンデションの整え方や、ステージマナーなど、曲の感情表現や楽曲解釈以外にも大切にしなければならないことを吸収、体験できたことがたくさんありました。この経験を活かし、自分のこれからの演奏活動や、ピアノの生徒さんへの指導を、より深めていけたら…と思っております。最後に、今回の結果を残せたことは、私に関わる全ての人の支えや励ましがあったからこそだと思っております。これからより一段と周りの人々への感謝をしながら生活していきたいと考えております。皆様、これからも何卒宜しくお願い申し上げます」(2014. 1. 7.)



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☆ Shinonome西塔 (しののめ さいとう)

〔プロフィール〕♪ Pianist(ピアニスト)。山形県上山市生まれ、山形北高音楽科を卒業。1993年、桐朋学園大学(ピアノ専攻)を卒業。2009年には、「岩手・宮城内陸地震チャリティーコンサート」を山形市、登米市、岩手県北上市、横浜市の4会場で行い、募金額を日本赤十字社に寄付した。2010年5月、イタリアの名巨匠ピアスト、アルド・チッコリーニの若手実力弟子イワン・ドンチェフの公開マスタークラスを受講。現在、ピアニストとしてソロやアンサンブル、伴奏の活動の他、山形市内の自宅にて後進の指導にあたっている。
日本ピアノ教育連盟、東北芸術文化学会、仙台桐朋会、パピヨンの会、各会員。

■ブログアドレス     http://pianodiary.exblog.jp



ウィーン、レオポルド美術館にてオスカー・ココシュカ展開催

ウィーン、レオポルド美術館にてオスカー・ココシュカ展開催


金田佳子(美術史家:エゴン・シーレ研究)





世界最大のエゴン・シーレコレクションで知られるレオポルド美術館にて、オスカー・ココシュカ展が2014年1月27日まで開催されています。

オスカー・ココシュカ(1886−1980)は20世紀表現主義を代表するオーストリア出身の芸術家で、画家だけではなく、舞台装飾家、劇作家、エッセイストとしても大活躍しました。作曲家グスタフ・マーラーの未亡人となったアルマ・マーラーとの交際でも名を馳せ、彼女をモデルにした名作も多く残しています。

この展覧会は、ウィーン応用美術大学のオスカー・ココシュカセンター(Oskar Kokoschka-Zentrum)の協力を得て、芸術家ココシュカの人物像に焦点をあてた初の展覧会で大変話題をよんでいます。油彩画・版画作品だけではなく、200点ものココシュカの知られざる貴重な写真も展示されています。一部の展覧会場の様子は、下記の詳細から閲覧できます。

レオポルド美術館はマリアテレジア像のある美術史美術館から徒歩も可能です(ミュージアム・クォーター(MuseumsQuartier)という芸術文化施設内にあります)。

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。




■レオポルド美術館 LEOPOLD MUSEUM
開館日時/ 火曜日を除く毎日10 時−18 時まで(木曜日は10 時−21 時まで延長)
休館日/ 毎週火曜日
住所/ LEOPOLD MUSEUM, MuseumsQuartier, Museumsplatz 1, 1070 Vienna, Austria
観覧料/ 一般12ユーロ(学生、10名以上の団体等は割引あり)
詳細/ http://www.leopoldmuseum.org/en/exhibitions/50/kokoschka-the-self-in-focus




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監査役 大木義則氏  『 「野焼き」を語る 』


監査役 大木義則氏  『 「野焼き」を語る 』


 野焼きとは、粘土で作った器を人の力によって焼き上げることです。
焼き上げた器は日常生活の煮炊き、食材の保存等に使用したりする、非常に大切なものでした。化学と発明を踏まえて野焼きを行った、縄文人の知恵と文化は我々が想像する以上に進んでいたと思われます。



1.炙 (あぶ)り


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 土器を台の上に並べたら炙 (あぶ)りを開始します。炙りは3回行いますが、1回目は土器を立てて、火に向けて炙ります。2回目は180度向きを変え背中を炙り、3回目は土器を倒して底を炙ります。この炙りは土器の中にある水分を抜くための大事な仕事です。



2.第一次攻めの準備


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 炙りが終わったら熾(おき・薪などの燃えさし)を広げ、土器を中心から積み始めますが、この時、土器の口は外側に向くようにして、積むのがポイントです。急激な火力によって底が取れるのを防ぐためです。熾は消さないようにドーナッツ状に広げます。



3.第一次攻め


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 土器のまわりにドーナッツ状に広げた熾 (おき)の上に材木を置いて、自然発火をさせ全体に火が廻るようにします。火力は徐々に高くしていきます。1時間から2時間くらいです。積んである土器が、全体的に焼けた黒っぽい色になるくらいまで、風向きを注意しながら行います。最初の1時間くらいは、炙りが土器に触れないくらいがよい。



4.第一次攻め後半


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 第一次攻めが後半に入ったら、廻りに熾(おき・薪などの燃えさし)がかなりできるので、集めた材木で柄の長いトンボを作ります (トンボの用意があれば、それでよい)。熾を押して土器に近付けていきます。土器に被ってもよいので、円を少しずつ小さくしながら攻めやすくします。



5.攻め


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 第一次攻めが終わったら、端の長いあまり重くない棒を選んで端から掛け始め、全体的に掛ける。材木が土器に当たらないように、隙間なく掛け続ける。ある程度掛けたらストップして、少なくなり始めたら、また材木を掛ける。3回くらい繰り返すと、土器が真っ赤になっているのが見える。後は沈火するので、土器が出てくるのを待っていればよい。



6.仕上げ


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 沈火して土器が出てきましたが、熾(おき・薪などの燃えさし)が大分残っているため、熱くて近寄れません。さらに沈火するのを待ちます。沈火した後は長い棒で、土器の口に差し込み腰を落として、土器を持ち上げ取り出します。学校によっては、翌朝取り出すこともあります。




 


※追記 800度から1000度前後の温度で焼くので、ダイオキシンは出ても極微量であり、人体にはほとんど影響ありません。


 


エゴン・シーレの生家再公開のお知らせ  金田佳子(美術史家)

エゴン・シーレの生家再公開のお知らせ


金田佳子(美術史家)



トゥルン(ウイーン西部郊外にあるドナウ川沿いの町)にて、エゴン・シーレ(クリムトと同様に20世紀オーストリアを代表する芸術家、1890−1918)の生家が再公開されます。

シーレの父はトゥルン駅の駅長であったことから、生家はトゥルン駅内にあり、シーレは誕生から10歳頃までそこで暮らしました。

室内は当時の生活の様子が再現され、オーディオシステムも用意され、シーレの幼少時代のおもかげを大変良く感じられるようになっています。

オープンセレモニーは2013年6月15日11時からで、専門家らによるガイドは12時30分と13時に行われます。6月16日からは毎日開館されます。

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。


開館日時/ 2013年6月16日から毎日9時から20時まで
住所/ Hauptbahnhof Tulln 3430 Tulln an der Donau, Bahnhofstra゚e 69
観覧料/ 2ユーロ
詳細/ http://www.tulln.at/erleben


トゥルンには約60点ものシーレ作品を所蔵する『エゴン・シーレ美術館』もありますので、ぜひお立ち寄りください。
詳細/ http://www.egon-schiele.eu/de




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2013年5月 『アトリエ・山形現代美術館』 開館 


大原 螢(渡部泰山)会員は山形県新庄市に個人美術館を開設されました。
氏は地元芸術家にとって発表の場を無料で提供する意向です。

 

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館主(大原 螢)  ご挨拶



新聞で紹介されました


◇2013/04/21 山形新聞


◇2013/05/01 河北新報


◇2013/05/24 山形新聞


近藤裕子会員作曲『イゾラ・マードレ』、「アジア音楽祭2012」で演奏。


 2012年10月30日(火)、31日(水)、11月2日(金)の3日間、東京の文京シビックホールと台東区立旧東京音楽学校奏楽堂 を会場に 日本作曲家協議会「アジア音楽祭2012」 が開催されます。


 今回、その催しの一環として、近藤裕子会員 (石巻専修大学教授) 作曲の 『イゾラ・マードレ(Isola Madre)』 が11月2日(金)、「アジア音楽祭2012」 アジアの伝統・アジアの現代 「日中友好の響き」(台東区立旧東京音楽学校奏楽堂) で クヮトロ・ピアチェーリ によって演奏されます。

 『イゾラ・マードレ(Isola Madre)』 は2011年5月14日(土)に 日本作曲家協議会「中国・四国の作曲家 in ヒロシマ」 で初演された、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの弦楽三重奏です。

 

 

 

◆「アジア音楽祭2012」 についての詳細
   → 社団法人日本作曲家協議会WEBサイト  http://www.jfc.gr.jp/

 

◆「弦楽四重奏団 クヮトロ・ピアチェーリ」 についての詳細
    → 弦楽四重奏団クヮトロ・ピアチェーリ公式サイト http://www.piaceri.jp/



蝦名敦子 展覧会紹介

 


テマヒマ展<東北の食と住>を見て

 

蝦名敦子

 

 2012427日から826日まで、東京ミッドタウン・ガーデン内の21_21 DESIGN SIGHTの会場で、テマヒマ展が開催された。東北のものづくりに焦点を当て、東北の文化や精神を背景に生まれた「食と住」に目が向けられた展覧会である。展示はドキュメンタリーの映像と、様々な<もの>の展示と、大きく二つから構成された。芸術作品が展示された一般の展覧会とは違って、今までにない展示方法に特に興味をそそられた。

 それは、どんな小さなものでも一つ一つが、整然と並べられた展示方法にある。パンフレットにもあるように、作られた食品や、製造されたもの―ハサミや箸の一つ一つが、丁寧に等間隔で並べられた。あめ玉や干し餅、煮干し、かご、お椀、ゴム長靴・・・と、食品から生活用品まで全てそのようにである。どんなに小さなものでも、また一見、同じように見えるものでも、手で作られたものは微妙に異なり、全く同じということはない。それらの表情が、全て違う顔を持つように大事に扱われ、きちんと並べて展示された。つい触ってみたくなるのであるが、芸術作品と同じように触ることはできない。この普段なにげなく手にしたり、味わっている食品や生活用品に、一定の距離感を保ちながら、本展覧会では向き合うことになる。この整然と並べるというこの展示方法の威力に、改めて感動させられた。

それと対をなしていたのが、入るとすぐに目にするドキュメンタリーの映像である。東北6県からそれぞれ選ばれたが、必ず製造した人の手が画面に大きく映し出された。そして、作る人の作業姿や、生み出される工房・仕事場などと、その生産される場所の佇む風景が記録された。仕事に関わる音も映像とともに流れ、また様々な音楽とのコラボで独特のリズム感を醸し出している。生産者にしてみると毎日繰り返される同じ作業や、何気ない光景であっても、日常でありながらそれとは全く異なる魅力が存分にカメラに捉えられ、最後まで見入ってしまった。

展覧会のタイトルにあるように、手間、暇(時間)をかけて作られている東北の生産物の一つ一つが、普段こんなに注目されるだろうか、というくらいに脚光を浴びている。会場には日本人だけではなく、外国人がとても多かった。おもしろい展示である。

 


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監査役 大木義則 氏に陶炎賞


監査役 大木義則氏に陶炎賞

大木義則氏は第40回記念陶炎展で陶炎賞を受賞されました。同展は平成24年3月29日~4月3日、銀座松坂屋で開催。



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「アートの息吹」 展

 

新庄市民プラザ・ふれあい市民ギャラリーにて
「アートの息吹」展 を開催しております。
是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。

 

2012年 3月25日(日)~ 4月 1日(日)
9:00~19:00(最終日は17:00まで)
2階ギャラリー・入場無料

 

 

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◆お問合せ先  新庄市民プラザ TEL.0233-22-4200
        
plaza@city.shinjo.yamagata.jp



会員 大原 螢(渡部泰山・山形大学大学院准教授)氏に真壁 仁・野の文化賞

会員 大原 螢(渡部泰山・山形大学大学院准教授)氏に真壁 仁・野の文化賞

 

 

真壁 仁・野の文化賞運営委員会は2011年12月22日、第27回「真壁 仁・野の文化賞」の受賞作品が大原 螢氏の「東北芸術文化の水脈」に決まった、と発表した。

来年1月22日、山形市の大手門パルズで表彰式が行われる。

「東北芸術文化の水脈」は、真壁 仁を中心に画家 岡本太郎、詩人 永山一郎、舞踏家 土方 巽らを論じた批評・論文集。

選考委員会では「東北の芸術文化の基層に潜む豊かな精神世界を探り、世界へ通じる普遍性をたぐり寄せている」

「真壁 仁の芸術の道筋を明確に示し、東北に住む者が芸術文化の分野で進むべき方向性を示唆している」などと評価された。

野の文化賞は、詩人、思想家、文化運動家として活躍した真壁 仁の功績を顕彰しようと1985(昭和60)年に創設された。

県内在住者による優秀な出版物が対象で、今回は2010年10月から11年9月までの出版物の中から4作品が推薦され、選考委員会が審査した。

 

津田礼子 ― イギリス学会報告 ―

イギリス学会報告

 津田礼子

   

  2011年9月16~18日にエディンバラ大学 The University of Edinburgh、オールド・カレッジOld Collegeにて開催された「イギリス美学会 British Society of Aesthetics : Conference 2011」に参加した。イギリス国内の他、アメリカ、カナダ他からの発表者、参加者があった。

 
  発表内容は、「美的価値」「美的認識」「想像力」「気分」「表現」といった純美学的な概念についてや、ニーチェ、ハイデッガー、ランガー解釈等、ジャンルは純哲学から美術、文学、音楽に関わるものまでであり、ほぼ日本の美学会の内容と共通していた。

  発表者はほとんどが大学に所属する教員、大学院生であったが、大学などの特定の研究機関に所属していない人もいた。学会での発表の機会が専門的な機関に所属していない人や国外の研究者にも自由に開かれている点をすばらしいと感じた。イギリス及びアメリカ、カナダなどの英語圏の美学界の動向をみることができたこと、参加した人たちと意見の交換をすることができたことは極めて有意義だった。マルタ大学から一人で参加した先生もいて、彼女との会話はとても新鮮だった。

 
  また、オールド・カレッジはエディンバラ大学の中でも最も古い建物であり、1789年に建てられ、1816年に再建されたものであるが、メイン会場となったプレイフェア図書館ホール Playfair Library Hall は190フィート以上に及ぶ円筒ヴォールト天井と通路をもつネオクラシック様式の見事な建築である。この図書館ホールでの学会発表と1日目のディナーは荘厳で希有な体験だった。

 
  最後の日はエディンバラ郊外へのエクスカーションがあった。

(活水女子大学教授)


 

※The University of Edinburgh, Old College & Playfair Library Hall の画像



前会長 斎藤 稔 氏に瑞宝中綬章(23年春)

齋藤 瑞宝中綬章 功績概要(平成23年春の叙勲)

 

 

 

 

齋藤  広島大学名誉教授 広島市立大学名誉教授

専門分野西洋美術史、芸術学、比較芸術学、比較文化学

 

 

主な功績

 
(総評) 同人は長年にわたり西洋美術史と芸術学の研究に当たり、それに基づいて比較芸術学および比較文化学の確立のための研究に取り組み、以下の功績をあげるなど、我が国の美術史学と芸術学の全般的な発展に多大な貢献をした。

 

 

功績概要


1 西洋美術史と芸術学における価値の役割と機能に関する研究

      従来の研究では、西洋美術史と芸術学が価値関係的にあることはたびたび主張されてきたが、具体相における解明とその基礎付けはなされていなかった。

      昭和47年に研究留学(ドイツ政府アレキサンダー・フォン・フンボルト基金による)したミュンヘン大学の故ハンス・ゼードルマイヤ教授のもとで、その独自の方法である構造分析による作品解釈の芸術学の方法を探究して、作品の価値とその機能を解明し、その不可欠性を立証するとともに、その意義と役割によるその方法の適用と作用をもって多くの美術作品に応用して学術的に貢献した。

      その成果は同人の多くの論文や著書に個別的に見られるが、とくに著書、『美と知の饗宴―アルス(芸術)の真実を観る―』および博士論文の公刊である『人文学としてのアルス ―西洋における人文主義的藝術の系譜―』では美術史研究における人文学の基礎的な研究に基づく方法と理論を探究して、新たな芸術学の方位を提示した。


2 比較芸術学および比較文化学の探究と確立に関する研究

      従来、美術史の作品分析や解釈に関する研究はその図像学(イコノグラフィー)の方法から多くは歴史的な図像学や様式論に追随していた。

      同人は自らその限界を自覚し、そこに体系的な方法として新たな芸術学の援用を試み、それはほどなく、国内外の研究者による共同研究として推進された国際的な『比較芸術学の共同研究』(全6巻、美術出版社、1973~1988) および同じく『芸術学研究双書』(全4巻、玉川大学出版部、1989~1995)に示されている。

      この共同研究は国内外に類似の協力を促し、造形芸術をはじめ諸芸術の国際的共同研究を活性化させた。それらによって造形芸術は他の諸芸術とともに広く文化学として、必然的に比較文化学として把握されて芸術文化の諸研究に大きな貢献を果たした。


3 芸術文化の比較学に基づく芸術学的認識とその応用学的研究

        比較芸術学および比較文化学の観点から過去の芸術作品を改めて再評価するとともに、人間生活への善美の役割、平和や和合の祈願の表象などの追究に寄与している。

        その視点に立ってみると、造形芸術は古くから社会的文化として、環境的芸術として形成されていて、また市民社会の安寧や充足への作用などの追究に寄与している。

        また、都市形成を含むヒューマン・エコシステムの基本的な要件として役立ってきたことなど、今日的なエコロジーをも取り込む重要な学術的貢献を果たしている。  

        その応用は同人の志向的な働きによって設立された広島芸術学会、東北芸術文化学会、アルス・ウナ芸術学会の社会的な学術的活動に生かされて、それら学会は後進に引き継がれて今なお、とくに各地域の芸術文化の向上に貢献している。 

  

 

 

功績概要(齋藤稔)の中の用語の説明


構造分析(Strukturanalyse);美術作品の形式的要素と内容的要素を綿密に分析し、両者の綜合化によってえられる価値的な要素を抽出することに目標をおく。ハンス・ゼードルマイヤの作品解釈学の方法、1930年代に提起されて、第二次大戦後に広がる。


比較芸術学;美術史研究を基礎にしながら作品間の表現の形式や内容の吟味検証によって歴史的関係のみでなく、それを超えて関連する精神的な文化的要件を追究する学科。


ヒューマン・エコシステム;人間主義的なエコロジー(生態論、または環境論)による社会的なシステム、あるいは制度として承認されるあるべき仕方、または存在方式。



虎尾 裕 作品展評

虎尾 裕 作品展評

 

 

「群生林」より「稜線」へ

Gregarious Forest 2001”~“Ridge 2011

 

 

 

 2011年5月10日(火)~15日(日)の期間、仙台市青葉区錦町1-12-7門脇ビル1Fの「SARP 仙台アーティストランプレイス」において、会員虎尾 裕[作品展]が開催された。旧作と新作を一つの空間に設置したので、タイトルが「『群生林』より『稜線』へ」と命名されたのであろう。ただし今回の展評では紙数の関係もあり、新作についてのみ批評する。

                                              

 会場に入るなり作品の部分である表面に目がいった。それはスプーンカット状の面を複雑に連ならせることによって、凸面の形態が排除され石特有の重量感を消去するようにしてあり、私たちが見慣れた彫刻とははなはだ印象を異にするからである。石材特有の肌合いをあえて打ち消し、別の物質として感じさせるようにしている。かくて普通の彫刻作品に対すると同じようなスタンスはここで通用しなくなる。

 

作品全体を見ると背が高く薄べったりで剣先鋭い塊が、峰々の稜線や尾根のような部分を有してそそり立っているようでもある。山並みに例えるならば、氷雪にすっぽり覆われている峰々と、風塵に岩肌をさらけ出している峰々が、同じ山域に連なっている。作品はそうした情景をイメージさせ、ここに新たな彫刻ジャンルとしての特性が認められる。気候における強烈な反立的対比として捉えることができよう。なおかつ動物の脊椎のようでもあり、生物が土砂や氷雪を押しのけて進んでいるようでもある。それは生命感や胎動するエネルギーのようなものを感じさせる。

 

いずれも山の稜線を思わせるが、一方が開放された円弧状の砂岩の方は乾燥地の、一直線状の大理石は極寒の地のもののようだ。乾燥を特性とする砂漠の自然、極寒を特性とする氷雪の自然は私たちの想像を絶して非情である。そこにある冷厳な自然の表情を見逃すわけにはいかない。

 

しかし作者はこうした否定的感覚をまともに引き受けようとしているように思われる。日常的な生の否定である非情な自然の厳しさが、都市の無機質的な一室における虚構的な美感へと転換されているのである。そこには現実に体験されるであろう自然美感と、人工的芸術的に再現された、いわば虚構的な自然美感との対比が認められる。以上あげてきた対比意識の交錯によって醸しだされる、美的情趣こそ虎尾芸術の核心でもある。

 

 

〔文:東北芸術文化学会会長 立原慶一〕



虎尾 裕 -TORAO Yutaka- 作品展



虎尾 裕 -TORAO Yutaka-  作品展



「群生林」より「稜線」へ 
“Gregarious Forest 2001”~“Ridge 2011”



 この度、下記日程にて作品展示をすることになりました。
是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。




■展示作品解説
 
本小松石による立体作品「群生林」シリーズ3点(2001年発表)と砂岩と大理石による立体作品「稜線」シリーズ1点(2011年新作)を対比し展示予定。 



■写真添付
 
gregarious forest 11-a 本小松石 2001

【2つの稜線、5月の残照 2011】[材質:砂岩、大理石、鉄]





◆会期 5月10日(火)~15日(日)

◆時間 11:00~19:00(最終日18:00まで)

◆場所 SARP 仙台アーティストランプレイス
    仙台市青葉区錦町1-12-7 門脇ビル1F TEL.022-222-0654
    
http://www2u.biglobe.ne.jp/~capri/SARP.html



保科弘治 絵画展評

保科弘治 絵画展評

 

 
平成22年11月25日(木)~12月14日(火)、寒河江市美術館で東北芸術文化学会監査役保科弘治氏の絵画展が同氏絵画展実行委員会主催、寒河江市教育委員会・寒河江市美術研究会共催で行われた。サブタイトルは「大地の息吹きとぬくもりと…こだわりの美を求めて」である。筆者が訪れたのは終了が間近な12月9日であった。エスカレーターで3階まで上がると、60点の大作が所狭しと展示されていた。これほど大規模な個展になることを予想だにしていなかったので、会場全体にみなぎる造形的な迫力に圧倒された。作品それぞれに独自な魅力があり、表現技術的に一点たりともゆるがせにされていないと見た。

 それらは各種展覧会にチャレンジし、審査員から注目を浴びた力作である。そうした内情がすぐに感じ取れた。それを裏付けるように、山形大学の遠藤賢太郎先生が本絵画展のために寄稿された文章に、県美展や中央展での「華々しい活躍」が記されていた。油彩と日本画を取り混ぜた作品群を鑑賞して、創作意欲の旺盛さと審査員をうならせてきた作家性に、感服しないわけにいかない。

 作品を分類すると「風景画」と、風景が背景に描かれているものの人物がメインとなる「人物画」の二つに分けることができた。風景画で扱われている題材は山形の「棚田」「農村」「山岳」「名所旧跡」であり、同地に特有な「人物画」では「岩海苔採り」「農業、工業、漁業の各種作業現場」「黒川能」である。作品の傾向が時代とともにどのように変わっていったか。それをじっくりと考えながら鑑賞することは、筆者の楽しみの一つであってきた。だが今回、制作年度が示されていないので、それもままならない点が惜しまれた。

 東北地方における冬枯れの寂寥や、凍てつく寒さなど冷厳な自然の表情、その中で働く人間の過酷な様子が描かれていた。しかし氏の描写・彩色法はそうした日常的な生の否定である非情な自然の厳しさを、穏やかさとぬくもりという美感へと転換させるのである。他方で、作品は地方社会の過疎化、地域産業の斜陽化などやや気が滅入るようなものが、主題として意識されている。しかし空間構成法ではしっかりと画像相互を結びつけ、構図法では各モチーフ間にまとまりをつけることによって、画面は快活さを帯びるとともに、主題表現力を大いに発揮する結果になったと思われる。それが保科芸術の魅力に違いない。

〔文:東北芸術文化学会会長 立原慶一〕

 

保科弘治 絵画展

保科弘治 絵画展
 
―大地の息吹とぬくもりと…こだわりの美を求めて―
 KHoshina EXHIBITION (painting) 
 
 
 

 

 この度、寒河江市美術館の企画室において手元にある作品を主に展示することになりました。ご高覧いただき、ご指導くださいますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

    ◆会期/平成22年11月25日(木)~12月14日(火)

  

   

    ◆会場/寒河江市美術館(フローラ 3F)


           山形県寒河江市中央1-9-45  Tel.0237-86-2111/Fax.0237-86-7220

              http://www.city.sagae.yamagata.jp/museum/index.html

 

 

◆時間/AM10:00~PM 7:00(休館/水曜日)

 



東雲西塔ピアノコンサート


Tea time Classic Piano Concert in Bevitore
(ティー タイム クラシック ピアノ コンサート イン ベヴィトーレ)



 

☆ 開催日時  2010年9月7日(火) 15:00~16:00



☆ 開催場所  Bevitore(ベヴィトーレ)
【イタリア式食堂/居酒屋/喫茶店】
          
980-0013 仙台市青葉区花京院1-1-52 朝日プラザ花京院101  
             Tel.022-222-4777
         
http://h-d-office.com/restaurants/bevitore/index.html




☆ Pianist(ピアニスト) Shinonome西塔 (しののめ さいとう)

〔プロフィール〕♪山形県上山市生まれ、山形北高音楽科を卒業。1993年、桐朋学園大学(ピアノ専攻)を卒業。2009年には、「岩手・宮城内陸地震チャリティーコンサート」を山形市、登米市、岩手県北上市、横浜市の4会場で行い、募金額を日本赤十字社に寄付した。2010年5月、イタリアの名巨匠ピアスト、アルド・チッコリーニの若手実力弟子イワン・ドンチェフの公開マスタークラスを受講。現在、ピアニストとしてソロやアンサンブル、伴奏の活動の他、山形市内の自宅にて後進の指導にあたっている。
日本ピアノ教育連盟、東北芸術文化学会、仙台桐朋会、パピヨンの会、各会員。

■ホームページアドレス  
http://letsbb.jp/shinonome
■ブログアドレス               http://pianodiary.exblog.jp



☆Program(プログラム)

  ♪ショパン   :ノクターンOp.9-2 , Op.48-1
  ♪ドビュッシー :版画 「塔」「グラナダの夕暮れ」「雨の庭」全3曲
  ♪ラフマニノフ :音の絵Op.39-5 変イ短調 「情熱的に」
  ♪スクリャービン:12の練習曲Op.8-11 ,Op.8-12
  ♪ラフマニノフ :10の前奏曲Op.23-6
  ♪スクリャービン:8の練習曲Op.42-5



★演奏者本人より…
 ♪イタリアン・バールでお茶とスイーツを食べながら、クラシックピアノの音楽に浸ってみませんか。お財布から出るのは“お茶とスイーツ代”だけ。演奏料はいただいておりません。電子ピアノではありますが、曲の一言解説などで、わかりやすく和やかなひとときをお届けします。約1時間の間、楽しい時をプレゼントしますので、お気軽にお越しください。

 

 

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