東北芸術文化学会

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津田礼子 ― イギリス学会報告 ―

イギリス学会報告

 津田礼子

   

  2011年9月16~18日にエディンバラ大学 The University of Edinburgh、オールド・カレッジOld Collegeにて開催された「イギリス美学会 British Society of Aesthetics : Conference 2011」に参加した。イギリス国内の他、アメリカ、カナダ他からの発表者、参加者があった。

 
  発表内容は、「美的価値」「美的認識」「想像力」「気分」「表現」といった純美学的な概念についてや、ニーチェ、ハイデッガー、ランガー解釈等、ジャンルは純哲学から美術、文学、音楽に関わるものまでであり、ほぼ日本の美学会の内容と共通していた。

  発表者はほとんどが大学に所属する教員、大学院生であったが、大学などの特定の研究機関に所属していない人もいた。学会での発表の機会が専門的な機関に所属していない人や国外の研究者にも自由に開かれている点をすばらしいと感じた。イギリス及びアメリカ、カナダなどの英語圏の美学界の動向をみることができたこと、参加した人たちと意見の交換をすることができたことは極めて有意義だった。マルタ大学から一人で参加した先生もいて、彼女との会話はとても新鮮だった。

 
  また、オールド・カレッジはエディンバラ大学の中でも最も古い建物であり、1789年に建てられ、1816年に再建されたものであるが、メイン会場となったプレイフェア図書館ホール Playfair Library Hall は190フィート以上に及ぶ円筒ヴォールト天井と通路をもつネオクラシック様式の見事な建築である。この図書館ホールでの学会発表と1日目のディナーは荘厳で希有な体験だった。

 
  最後の日はエディンバラ郊外へのエクスカーションがあった。

(活水女子大学教授)


 

※The University of Edinburgh, Old College & Playfair Library Hall の画像



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